老舗ながら庶民的な天ぷらや 【伊勢佐木町 登良屋】
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野毛おでんのとなりだ。
近くを通るたびにごま油のいい香りにさそわれていたので、同僚とランチで訪問。
外観は、老舗らしいひなびた一軒家。
外にはのれんと看板で店名がわかるのみで、ショーケースやメニューがでているわけでもなく、一切の情報がない。
もともと正面玄関であったであろう入口は今は使われていないようで、植木がおいてあり閉鎖されている。
道路に面した横にものれんがかかっており、こちらから入店。
入ると、すぐ左手が調理場、その前にカウンター席。
そして右手にテーブル。
さらに奥にもテーブル席と小あがりがあり、ちょっと複雑な形をしている。
小あがりというか座敷は、まさに昭和の家庭の居間という感じで、電球色のなつかしい雰囲気だ。
壁もかなり変色していて時代を感じさせる。
お昼時なので、ランチメニューでもテーブルにおいてありそうなものだが、これまたなにも情報なし。
店員の女性があとから手書きのメニューを持ってきた。
基本、ランチは天ぷらか刺身の定食。
天ぷらは、野菜中心なのかそうでないのかで分かれるそうだ。
メニューにも値段は書いていない。店員さんが口頭で説明。
野菜の天ぷら定食だと、1,155円。これにエビをつけると630円アップ。刺身定食は1,680円。
刺身も興味があったが、初めてということでもあるし、全員野菜の天ぷら定食ということにあいなった。
カウンターの中では、大将と思しき方を含めて3名の男性が天ぷらを揚げている。
フロアには女性が数名。けっこうな人数だ。
こちらのお店、先代が昭和33年に創業。現在の大将は二代目。
店名は大将のおじいさんが登良吉という名前だったから。
また、先代はこれまた横浜の老舗牛鍋屋荒井屋の三男だとか。
お昼時にも客が12時からどひゃっと集中するというわけではなく、パラパラとコンスタントに訪れる。
満席でごめんなさいというわけでもなく、それでいてけっこうにぎわっている。
常連客が多いからだろう。
ふつうのお茶碗に盛ったごはんとみそ汁、香の物が登場。
続いて天ぷら。
天ぷらは想像していたのより、ずっと濃いきつね色。
中身は、れんこん、かぼちゃ、しし唐、いか、あなご、白身魚。
高級てんぷら店のそれを期待していると、ずいぶん違う。こちらは天ぷらも庶民的なそれだ。
でも、ごま油でさくっと揚がった天ぷらはおいしく、ごはんがすすむ。
ごはんはおかわり自由。
最初、ちょっと少な目に見えた天ぷらも、ごはんを一膳おかわりしたら、ちょうどいい塩梅。
ランチにはちょうどいい。
また訪れてみよう。
登良屋
横浜市中区吉田町2-3
RICOH GR DIGITAL III